2012年10月28日 (日)

平成24年度日本語教育能力検定試験

昨年は試験当日,事故にあった。今年は受験せず。
入手した試験問題を眺めた。まず分量が多い。受験者として会場で読むときは気合いが入って集中するせいか,一気に読める。しかし,自宅でのんびりと読むと時間だけがどんどん経過して,はかどらない。問題そのものがオモシロクナイためでもある。
以前に比べてどんどん増えてきているような気がする。
たとえば試験Ⅰは41ページ。空白のページもあるけど,90分でこれを解くのは1ページに2分強の時間しかない。すべてが択一問題だが,ざっと眺めてすぐに解答を引き出さなければならない。
試験Ⅲにいたっては47ページ。時間は120分だが,最後に400字の記述問題があるから,記述問題に配分する時間を考えると似たようなもの。
出題範囲が変更されて現在の5区分方式に変わってからかもしれないが,考える問題が減ったのは確かだ。
まる1日の受験は体力的にも大きな負担だ。

これで,「日本語教育の実践につながる体系的な知識」や「状況に応じてそれらの知識を関連づけ多様な現場に対応する能力」を測定できるのだろうか。

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2012年10月 5日 (金)

日本語教師のみなさん  海外に出ましょう

日本語教育は年々拡大している。40周年を迎えた国際交流基金は海外での日本語普及を事業目的の一つとする独立行政法人。3~5年ごとに海外の日本語教育の状況を調査報告している。2009年のデータでは学習者数365万人まで拡大してきた。
日本語教育がさらに拡大するためには、適切な教師を供給しなければならない。英語と異なって日本語はマイナーな言語。日本語を指導できる教職の志望者は多くない。
海外での日本語教師数5万人のうち3分の1はネイティブ教師。ネイティブ教師は、現地教師にない良さを持っているはず。ネイティブ教師の活躍の場はどんどん広がっている。

日本語教師という職種は、すでに日本社会では確立したと思う。一方で、国内教師のなかには海外での指導を望まない人も少なからずいる。
日本語教師の仕事は、単に日本語をマスターさせるというだけではない。国内であれば、学習者は留学、研修などの目的だけでなく、異文化の中で生活するという立場におかれる。そんな学習者の立場を知る意味でも、教師自身が異文化体験を積むことは重要だろう。
特に若い日本語教師にお願いしたい。ぜひとも海外での教壇を経験して頂きたい。

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2012年9月27日 (木)

アークアカデミー日本語教育実践発表会

恒例の日本語教育の実践を披露するイベント。
思えばアークアカデミー26年の歴史を見れば,教育面で次々と試みを行ってきた。日本語教授法の進化・変化の最先端を追いかけてきた。おそらくプロジェクトワークを民間で最初に実践したのはアークアカデミーだったろう。ピアラーニングも同様。さまざまな先生方の提唱や示唆を実践する場を演じてきた。
国内の日本語学校というのは,全日制のクラス授業でしかも日本語環境のなかで生活するという恵まれた条件を持っている。うちの講師陣はその強みをいかす熱意と好奇心を持っている。
会場の都合もあって一般に非公開にせざるをえないのは残念だし,日本語教育界全体に向けてもっと発信する機会を持つべき段階になってきたような気がする。だから,これまで個人会員として加入してきた日本語教育学会にも今年から組織として加入する手続きを取った。
ただしうちの講師陣はあくまでも現場の実践者。大学の研究者と違う。発信を求めるためには,もう少し職務のバランスを考えなければならない。

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2012年9月15日 (土)

日本語教育能力検定試験  目標基準か、集団基準か?

試験には必ず目的がある。

合格者のみが一定の業務を行うことが許可される試験もある。
たとえば運転免許。試験に合格しない者は免許を取得できない。免許を持たずに運転すれば違法行為として取り締まりの対象になる。本来、自動車の運転は自由に行ってかまわないはずだが、一定の技能や道路交通法の知識が乏しい者が運転すると危険なので社会防衛の観点から規制をしているわけだ。
運転免許のような試験は目標基準準拠試験と言われる。技能、知識が一定の水準に達していると確認されれば免許証を発行する。

入学試験のような競争試験もある。
限定された定員に対して受講希望者が多い場合には一定の基準で選抜せざるを得ない。ふつうの基準は試験の成績である。入学資格を持つ者のなかから試験の成績以外(たとえば寄付金の多寡とか卒業生の子弟とか)の基準で選抜されることもあるかもしれないが、国公立大学では一般的ではない。ちなみに、成績不振者のみを選抜して鍛えるという趣旨の学校があっても決して悪くないと思う。
集団基準準拠試験と呼ばれる。

さて、日本語教育能力検定試験はそのどちらか?
私自身も主催者に(電話で)問い合わせたところ、目標基準準拠試験だとの回答を得たことがある。同趣旨のマスコミ報道もあった。
一方で、認定団体の日本語教育学会会長が集団基準準拠試験だと雑誌のインタビューで回答し、日本語教育学会等において同じことを何度も語った。
そもそも日本語教育学会が何を認定しているのかは公表されていない。試験そのものが妥当性、信頼性などの点から適切に行われたことを認定するのか?合格者について、日本語教育に携わるにあたり必要な知識・能力を備えていることを認定するのか?
「多様な日本語教育の現場に枝分かれする前の日本語教育の核を示す試験。合格者像は、日本語教育のスタートラインにたつための知識・能力を備えた人材。」という発表からは目標基準準拠試験のように思える。しかし、目標基準を具体的に明らかにした報告はないし、そもそも目標基準を設定するための作業が行われた気配はない。
択一問題の解答だけで一部を足きりにしたり、合格率の推移を見ていると事実上は集団基準準拠試験であることは間違いないと思われる。

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2012年9月 8日 (土)

日本語教育能力検定試験  模擬試験・記述問題の採点

本日、採点。全答案を20点満点から白紙0点まで配分する作業はそれほど簡単ではない。参考までに、採点方法を紹介する。
1.まず採点者が一堂に会する。採点基準の微調整に迅速に対応するためだ。
2.採点基準の打ち合わせ。採点者がそれぞれに答案十枚程度を確認の上、協議。原則は1枚の答案を3名の者が採点してその平均を取る。
3.出題者の要求を理解してこれに沿った答案が高得点を得られるように配慮する。今回は一定のエピソードを示して、「どう考えるか、どのように対応するか」という問題。題意に沿った答案はそれほど多くない。
4.作業を開始して1時間ぐらいすると、基準もほぼ固まって加速度がついてくる。それでもときおりユニークな答案が現れる。

上記のような採点手順を確立して以来、十年近く採点から遠ざかっていた。昨年メンバ^に復帰して、引き続いてことしも採点作業のメンバーに加わった。
正直に言って、疲れた。年齢のせいもあるかも知れない。出題傾向の変化も影響があるかも知れない。

受験者のために25年間の受験指導の経験からアドバイス。合格のための効率的な勉強方法は、記述対策については模擬試験または適切な問題集で3~4回の疑似練習をして確認作業をすれば十分。あとは記述以外の勉強に時間を使うべし。
当ブログ7月13日『日本語教育能力検定試験  記述問題』 に書いたとおり。『具体的なヒントを一つだけ。記述問題については、問題を熟読し、書くべき内容を考えて、丁寧に書く。この作業にかける時間は20分。』

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2012年9月 2日 (日)

日本語教育能力検定試験  全国統一公開模擬試験

本日、東京及び大阪で実施した。東京会場はJR新宿駅から徒歩5分の代々木ゼミナール。名門予備校だけあってすばらしい設備、環境そして雰囲気。
経験則で言うと、社会人受験生の多くは試験の1カ月半ほど前のこの時期から本格的に勉強を始める。一通りの勉強をしてきた受験生なら、これからの1カ月強の勉強で十分に合格圏内にはいるはず。
出題範囲の幅広さがこの試験の特徴。最重点項目の言語一般をきちんと整理したうえで、出題範囲の全体像を体系的に鳥瞰できるような気分になれば、合格水準。
ガンバレ受験生!

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2012年8月 7日 (火)

日本語教育能力検定試験  日本語教師のページ

日本語教師を目指す方々のためにずいぶん前から開設されているホームページ
まず、日本語教師がマスターしておくべき専門用語集「マンボウ」が便利。新合格水準 日本語教育能力検定試験 用語集 改訂版 の内容が五十音または区分別に検索できる。
また、毎週1度、基礎的な例題が出題されている。ずいぶんと豊富な量になって、しかも区分ごとに分類されているので、学習の節目の力試しに絶好。
過去問の解説ページにもリンクできるようになっている。
このほどリニューアルされた。若干ミスがあるようだが、すみやかに修正されるだろう。
合格を目指す人には、必須のサイト。

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2012年7月31日 (火)

日本語教育能力検定試験  社会・文化・地域

日本語教育能力検定試験の特徴の一つは、出題範囲の広さ。勉強するべきことが多すぎる。出題区分の表を見ると、「全範囲にわたって出題されるとは限らない」などと、当たり前のことが書いてある。
なかでも冒頭の「社会・文化・地域」の区分の前半の主要項目は次のようになっている。
1.世界と日本
(1)諸外国・地域と日本
(2)日本の社会と文化
2.異文化接触
(1)異文化適応・調整
(2)人口の移動(移民・難民政策を含む)
(3)児童生徒の文化間移動

この項目を体系的に簡潔にまとめた本が発売された。
『やさしい日本語指導1 社会・文化・地域<新版>』(凡人社)

この分野は、簡単に言えば日本語教育を巡る社会環境に関する知識がテーマ。「教育」というのはコミュニケーションの場。外国人学習者と接触する日本語教師として最低限の知識を持つべきだとの配慮から、主催者は勉強するように求めている。
お勧めしたい1冊。

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2012年7月25日 (水)

海外へ向かえ!  日本語教師にお願い

国際交流基金が3~5年ごとに海外の日本語教育の調査をしている。2009年の日本語学習者数は365万人であった。教師数はおよそ5万人。そのうちネイティブ教師は1万5千人。
日本語を学ぶ人は日本の社会や文化に興味と関心を持ってくれる人々。学習者の支援をする教師はもっともっと必要。現地の教師にもがんばってもらいたい。けれどもネイティブ教師のほうが望ましい場合も多い。日本できちんとした教師の勉強した方にはどんどん海外に向かって頂きたい。
たとえばIJECの海外日本語教師就職情報など、あちこちで募集が出ている。
先日見た文部科学省留学生課のデータでは、海外に留学する日本人学生は統計を取り始めてからずっと増え続けていたのに、2004年の82945人をピークに減り続けている。2009年は59923人。「最近の学生、若者は内向きで海外に出たがらない」と評されるようになっている。
日本語教師も同様で、募集はたくさん来るけど応えきれない。
身軽な若いうちに海外経験を!
心からお勧めする。

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2012年7月22日 (日)

日本語教育能力検定試験  全国統一公開模擬試験9月2日(日)

今年の検定試験は10月28日(日)。7月から始めても間に合う、というのが持論。ただし勉強の日程はきちんと管理しなければならない。一通りやるべき勉強を終えて臨む第一目標が9月上旬の模擬試験
受験産業なら「予想」問題だと宣伝するところだろう。しかし、出題範囲が広く問題量も半端でないから、予想はあまり意味はない。
むしろ、本番同然の気構えで実力を試すことに意義がある。弱点を知り、合格につなげるための第一歩が模擬試験だととらえていただきたい。丸1日の試験が相当な体力を要することも体験できる。
昨年同様に、試験会場は東京・大阪とも便利な場所。在宅受験のサービスもあるけど、会場の雰囲気を知るためにも出向いて受験するようにお勧めしたい。

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